弊社でも多く採用しているIHクッキングヒーターですが、最近発火事故が増えているとのニュースが流れているのは皆様ご存じのここと思います。
「炎が出ないのに発火?」と思いがちですが、加熱調理をしていることには変わりありませんので「熱」の扱いには注意が必要です。
経済産業省関連の独立行政法人である製品評価技術基盤機構(NITE)でも、IHクッキングヒーターによる発火・発煙事故が急増していることから、ヒーターとの間にすき間のある鍋などを使用するときは特に注意するよう呼びかけています。
以下NITE注意喚起文と事例
IHクッキングヒーターによる発火・発煙事故の報告数は過去5年間は15件足らずであったが、平成19年度は8月までに10件に達しています。この背景には、急速な普及で利用者が増えるとともに、誤った使い方や安全性への過信などがあると見られています。
◆事例1 電磁調理器で揚げ物を調理中にその場を離れたところ、天ぷら油から発火した。
⇒揚げ物の調理の際、付属の天ぷら鍋を使わずに鍋底の小さい市販の片手なべを使用していたことと、天ぷら油の油量が少なかったことから、本体の温度センサーの検知が正常に働かず、天ぷら油が過熱し、発火したものと推定される。
◆事例2 ビルトインタイプの電磁調理器で天ぷらを揚げるため、鍋にてんぷら油を約200ml入れて加熱していたところ、約3分間その場を離れた際に、天ぷら油が発火した。
⇒使用した鍋の底がくぼんでおり、天ぷら油の量が200mlと少なかったため、電磁調理器の温度調節機能が正常に働かず、湯温が上がりすぎ、また使用者がその場を離れたため天ぷら油の発煙に気づかず、発火に至ったと推定される。
◆対策 事例1では、取扱説明書と本体表示に「揚げ物の調理中はそばを離れない」「揚げ物調理には必ず付属の天ぷら鍋を使う」「500グラム未満の油で調理しない」旨の警告・注意表示が記載されていた。このように、電磁調理器での天ぷらを調理する際は、付属の鍋の使用や適正な油量等、各メーカーによって設定がされているようである。取扱説明書を確認して使用したい。
また、事例2のようになべの底にくぼみやそりがあると、温度センサーが正しく検知できなくなる。電磁調理器は炎が出ないので、調理中についその場を離れてしまいがちかもしれないが、調理中は離れないように注意したい。