長期優良住宅、所謂200年住宅といわれる住宅普及促進法案が閣議決定を経て今国会でも審議されている事は(3/10現在)各メディアでも取り上げられているので皆様もご存知の事と思います。住まいは丈夫で長持ち、安全、安心なものでなくてはいけないのは言わずとも知れた事。戦後の特殊な期間を除き、それは昔から住まい手も造り手も同じ見解を持っていたことです。今般公表された法案の一部概要では、住宅を計画する場合に資金計画から建築後のメンテまで一定基準を満たせば長期優良住宅として認定する制度が創設され、新築・既存を問わずに認定を受ければ税制なども優遇されるとの事。これは誠にいい事ではありませんか。しかもその認定基準とされる長期計画は
タッタの30年以上維持保全できるものとか。アレレ、200年はどこに行ってしまったの?という感はありますが、明確な数字として定められたところは評価すべきでしょう。しかし!ここで注意しなくてはいけない点があります。これは我々業界の者にも言える事と思いますが、200年とか長期だとか、超耐久とかの言葉を借りて建築技術的な競争に走ってしまう事です。勿論、安全の追求に研究と革新は必要ですが、法案の主旨を読み違えた変な競争意識が生まれると今までの例からもロクな事はありません。消費者の方は混乱されるし、過剰装備ともいえるものまで出現した日にはその分エネルギーもロスしてコスト高にも繋がってしまいます。そうです。この法案の主旨はエネルギーをロスしながら高コストの住宅を普及させる為ではないのです。ストック型社会による生活者の豊かさを求める法案なのです。世界的に見れば遅れた法律制定で、一般的にもこのような主旨は当然の事として認識されています。ならば、遅れたなら遅れたなりに世界に誇れる法律に育てようじゃありませんか。これから法律としての公布、その後の施行に至る過程で詳細が決定されていく事と思いますが、弊社の考える住まいに間違いは無いなという確信を持ちつつ、消費者の皆様へも安心をお届けできる様、認定を受ける準備も進めていこうと思います。