12/15現在の状況です。前回お知らせした通り作業は内部の造作に進行しています。
その前にまずは各所に充填した断熱材の話。
床断熱は発泡プラスチック系のポリスチレンフォームを、屋根と壁にはグラスウールを使用します。床の場合、工事中に雨等が浸水する場合や完成後でも床に水をこぼすといった事態も想定できます。繊維系の断熱材は水が大敵ですので選択は限られたものとなります。屋根・壁は不燃性であることを重視して選定します。また、断熱材を選定する際は建築地の地域条件に見合う断熱性能(厚み)があるものを選定しなくてはいけません。地域区分と断熱材別性能は住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が省エネ基準で示すものをCozyUpHomeでは参考に決定しています。こちらの現場の場合は建築地が栃木県・那須塩原市(旧塩原町)ですので、Ⅲ地域である栃木県でもより厳しいⅡ地域と区分されています。(地域区分はⅠ~Ⅴ・日本列島北~南)今回使用する断熱材は屋根・壁が住宅用グラスウール16K(断熱材区分はB熱伝導率0.0045-0.041)。床が押出法ポリスチレンフォーム(同C熱伝導率0.040-0.035)となります。これをⅡ地域で必要とされる厚みを示した表に照らし合わせると屋根 B 55mm 壁 B 40mm 床 C 35mm(外気に接しない部分)となり、自ずと採用する断熱材の厚みが決まります。
(この現場で採用した断熱材厚みは屋根・壁100mm 床35mmデス)
床 屋根・壁
さて、現場作業の方に移りましょう。
1F床は下地合板を張り終えて仕上げ材(SPF1x6T&G)の施工です。
取り合いとなるティンバーの柱部分には欠きこみを入れてそこに床材を差し込みます。収縮による隙間の発生を防ぐ為です。
柱部欠きこみと納まり
無垢のフローリング材を使用する場合は、温度・湿度に因る材の伸縮を考慮して張らなければいけません。よく床鳴りを気にして″ガッチリ″酢酸ビニル系ボンド等(俗に言う木工ボンド)で固めてしまう施工を他で目にしますが、弊社ではボンドを使用せず釘止めのみとし、張り終いの部分(特に木端側)には幅木で隠れる程度の隙間を残して無垢の板が伸縮できる逃げ場を設けています。
季節によっては若干床鳴りする場合もありますが、根太間隔を狭くする等の対策をすればかなり防ぐ事が出来ます。無垢の板が呼吸をして動くのを妨げる理由がCozyUpHomeの中では考えられません。賛否は有ると思いますが譲れない部分でもあります。
壁はまだ一部ですが仕上がってきました。
今回はお施主様リクエストによって壁も全面無垢板張りとなります。張り方は床と同様。いつ行っても「何となく空気の気持ちのいい空間」が出来上がると思います。
そしてもう一つ戴いたリクエスト。
お施主様から持ち込んでいただいたアンティークなステンドグラス。本当は外壁に埋め込まれたいご要望でしたが、断熱性のこともあって光りが十分入る写真の位置の間仕切壁に埋め込む事としました。折角の風合いを損なうことなく取り付けしたいと思います。・・・しかし、妙に緊張した顔でステンドグラスを掲げているなぁ
次回は取り付けの済んだ樹脂サッシについて報告します。