腰壁を張り始めました。
この材もウェスタンレッドシダーです。ただ真っ直ぐ製材するのでなく節を避けて(残して)カーブしながら切り落とし、角を斜めにカットしたもの。節と曲線がもたらす独特の雰囲気は、このお店のコンセプトでもある「地方色豊かなお料理」にもピッタリ。アンティークなカントリー調で店空間を演出します。ところで、このウェスタンレッドシダー(WRC)コレまでも名前は何回か登場したと思いますがココで改めて少し紹介します。(学術的なことや数値に関しては
弊社サイト内樹種欄か
樹種データサイトをご覧下さい。)ログハウスにご興味をお持ちの方は聞いたことのある材種と思いますが、北米主にカナダ西部のブリティッシュコロンビア州沿岸に多く自生するヒノキ科の樹木です。日本では「ベイスギ」と云われますが、日本の杉とは種類が違います。カナダの原住民はこの木を「神木」とし、カヌーやトーテムポールといった民族を象徴するものに使いとても大事にしています。カナダは広大な面積と標高差を持つ国土に付き、多様な樹種が自生していますが、このWRCを原住民が「神木」とするのは類稀なる「耐候性」があり、心材には腐朽菌に対抗する成分も多く含んでいるからに他なりません。ですから「木」がそのまま内外部の仕上げとなるログハウスには高級材として使われる訳です。また、乾燥における収縮も殆ど無く、ヤニも出ないため寸法安定性に優れている点は住宅資材として安心できるところの一つであり、軽くて加工のし易い点も特筆すべきところです。
さて、現場の話に戻りましょう。この腰壁の上は左官仕上げとなります。コッッウォルズストーンというイギリスの同地方だけで産出される石の粉を主材とし、セメントと硅砂を混ぜて練ったものを木コテで荒々しく塗り上げます。
木と石。自然界がもたらしてくれた最高の建材に感謝しつつ最高の食住空間を創出するためにまだまだオーナー様との二人三脚は続きます。