先日ある会合で建築士であり多能職人でもある方とお話しする機会があった。知識と技術は勿論のこと、常にお客様(依頼者)立場での目線を50%(時にはそれ以上)として現場状況を把握しているすごい方だ。50%?半分かいっ!と突っ込みが入るかも知れないが、実は実際の現場でこれが出来る職人は少ない!何を偉そうに上から云っていやがる…とまたしても怒られそうだが、物造りの現場、特に一般住宅の建築現場ではどんなに人のいい営業担当がいても、どんなに高名な建築士が描いた図面があっても、
住みやすい家は出来ない。実際に現場で加工して造り上げる各業種の職人すべてが、50%以上の依頼者目線で臨んだ時にこそそれは出来るんだ。図面通りに造れば間違いなく今の法規上「いい家」は出来る…でも住みやすい家とは限らない…(この辺は
第7回でも書いたな)
じゃ、何で50%なんだろう。それは建築の様に形の無い物を
創り上げる時には、図面に表現されない(出来ない)部分が多々ある事という事に尽きる。その時役立つのが現場の職人や監督者が長年の経験則で培った目と技術に因ってそれらを解決できるに他ならない。お客様目線100%というと聞こえはいいが、失礼ながらほとんどの方が自分の住まいを建てるは初めてという方の100%目線では住みやすい家にはならないんだ。だからの「50:50の目線」言い換えれば「お互い様の精神」そんな立場でいる現場人を「良し」と云っていただけるお客様とそれを貫ける職人さん達と共に、プロジェクトに臨める現場人は幸せだ。