昨日12/18は所属するNPO輸入建材協議会に於いて本年最後の定例会が行われました。当会は毎月様々な建材について検証し勉強する時間を設けていますが、昨日は地震国日本における住まいの備えがテーマとなり、「吸震」という考え方についてプレゼンテーションをお願いした会社の代表と様々な議論を重ねました。
建築基準法の示す基準では所謂耐震という考え方が文字通りの基準となっていますが、昨今では免震・制震と云う考え方も多くの研究者から唱えていますね。そこで素朴な疑問。
さて、どれが一番効果的なのでしょうか?
答えはどれも1番。
それは建物の構造や規模にによって有効である場合とそうでない場合があり、一概にどれが一番!とは言い難い事がある為に他なりません。
ならば、一般的な2階建ての木造軸組住宅に限定したらどうでしょうか。
免震や制震システムを販売されている皆様スミマセン!
残念ながらそれでもどれが一番とは言えないのです・・・が、当会会員一致の考え。
住まいを提案している身からすると全くもって無責任な回答かも知れません。何かのシステムを信じ、そのシステムを取り入れている方は当然「我が社の採用する〇〇が一番!」と云われるのでしょうが、当会会員各社は住まいとは様々な構造と建材・仕様が費用対効果も含めて
複合的にバランス良くまとまってこそが「住みやすい住まい」であり、豪華絢爛・高い建材を使用すれば「住みやすい住まい」になるとは考えていないので、建材や仕様の一つを取ってこれが一番とは言えないのです。
また、近頃では地震に対抗する手段としてのこれらシステムや地盤補強の分野で一部過剰設備とも言える仕様の提案をする事例が報告されていますね。そんな中で新たに知った「吸震」と云う考え方には、住みやすい住まいの実現に向けて組合せとバランスを考える上での選択肢が増え、我々会員各社としては消費者の皆様にも提案できる幅が拡がる事として大いに議論を重ねた事に至ったのです。
さて、最後におさらい。耐震・免震・制震について改めて比べてみましょう。分かりやすいイメージをプレゼンしてくれた会社許可の下資料から引用しておきます。
相撲の決まり手・形に例え、
耐震…がっぷり四つ 建物と地震力がまともにぶつかりあって強さを競う
免震…引き落とし 建物が地震力を受け流す
制震…うっちゃり 建物が地震力を柔らかく受け止める
*吸震は…はたき込み 建物と地震力がある程度までまともにぶつかりあうが、それを境に地震力から逃げる
*吸震については私が受けた印象です。
吸震の仕組みは基礎と土台を固定するアンカーボルトに有り。弊社も主に提案するティンバーフレームの住まいについての有効性を更に研究していこうと思っています。