9月下旬より
資産価値を向上させる賃貸アパートの改修工事でお世話になって以来、「家守り」としても弊社をご指名頂いている建物の定期点検で、一昨年あたりから不良箇所や脆弱した箇所などを報告させて頂いた屋上防水の改修工事を行っています。
多数の方がお住まいになる集合住宅を所有されるオーナー様として資産価値を維持・向上させていこうという積極的な姿勢に、弊社も「家守り」の立場に於いて最大限の協力を申し出て実施となりました。
しかし、今年は台風が多い!秋晴れ期間を想定しての工程でしたが、毎週のように襲来する台風に工程進行は困難を極めています。でも、そこは品質と安全を最優先で段取りして行かなくてはなりません。天気予報や雨雲レーダー等天気関連のサイトをくまなくチェックする日々が続いています。
定期点検・事前点検では以下の点が懸念されました。
一見すると10年前にこの建物を建てられた業者さんが改修されたと云われるシート防水には、表面の保護材(トップコート)のみの劣化に見えます。
しかし、
画像右端中程から下の部分にはシートのヨレがでていますね。
その部分の近影です。
通常今回の様な2次防水(建物本体工事時に施工されている防水層+保護モルタルが1次防水)の改修では、保護モルタルと最初の防水層との間に進入している湿気が蒸発するのを促す為に脱気筒(盤)を面積に併せて(10㎡位に1箇所)設置しますが、前回の改修ではそれがなされていません。
すると、太陽熱で温められて水蒸気化する湿気の逃げ場がなく、新たに施工する防水層は膨張した水蒸気の体積に因って接着層から剥離して膨らんでしまいす。夜間に温度が下がれば水蒸気が液体に戻って体積は縮小しますので、元に戻った様になりますが、一度剥がれた箇所は修復されません。これを晴天時には繰り返す事になりますので、
今回の様なシートでも伸び切ってしまい、徐々にその範囲も広げながら最終的には破れてしまう結果となります。それでは全く2次防水の役目は果たせません。今回の改修では脱気処置を付加し、下地の十分な調整工事を行ってウレタン密着工法にての仕上とする仕様をオススメし、現在は傷んだ既存シートの撤去作業、下地調整工事を行っています。