現場は無事完成を迎え、お施主様もシャワーオンリーとなっていた入浴スタイルに機能的なシャワーユニットの導入でより快適に。新装した脱衣所兼ランドリースペースでは内装仕上げに採用した無垢の木の心地よさを満喫されています。
改築前の浴室
シャワーユニット導入と旧洗い場を改築した脱衣所兼ランドリースペース
シャワーユニットにはメインのシャワーに加え、10箇所のノズルから身体を包み込むように噴出する装置も設置。シャワーの刺激が血流の促進にもつながり保温効果も高めてくれます。
脱衣所には取り外し可能な洗濯ポールフックを設置。従来東向きに開口し、隙間風の要因であったジャロジー窓は断熱・気密処理をして全て隠蔽。代わりに新たに開口した南面の窓から差し込む太陽光と風に換気・送風・暖房の機能を備える機器を併用すればランドリースペース(物干し場)に早変わりします。
脱衣所の仕上げは全て無垢材で。
天井と壁はカナダ産ウェスタンレッドシダー無節材。床は国産の檜。ウェスタンレッドシダーは部位に因り木肌色に濃淡があるのが特徴ですが、一番面積が多く視界に入る壁は色合わせをし、照明光の反射がある天井は光が不均一とならない様ランダムに貼り上げました。
床はこれまであった15cmの段差を解消しバリアフリーとしています。
シャワーユニットをご使用いただく前にVOCを測定。測定値0.04ppmは規制値である0.08ppmを下回り、ほぼ自然界に普通の存在するレベルであることを確認しました。
25年目の真実~ライフスタイルの変化に対応~
生活の仕方や習慣は家族構成や加齢に因って変化するもの。25年という歳月を経るとそれが如実に表れるケースも多くなります。本来、身体を休める空間も室内の温度差(ヒートショック)や床段差等のバリア(障壁)があると危険な空間に豹変してしまいます。家庭内事故発生率は階段に続き浴室が2位と言うデータがあるのもそれを証明していますね。
近年でこそバリアフリー・ユニバーサルデザインと言う設計概念が浸透しつつあり、新築時にはそれが反映されていますが、それとて長い月日を考えると万全なものとは言えません。
少なくともその時に万全であっても、
もしもの時にも柔軟な対応が出来る様なデザインを確かな施工力で支える構図がこれからの建築には求められます。当たり前の事ですが・・・。