浴室の改修を目的に着手したこの現場で、悪い方の想定通りに発覚してしまった「土台の腐食」への対処も先週中に無事終了。本来の目的であるシャワーユニットの新設も終え、現場は今週から本格的に脱衣場兼ランドリールームの造作へと進行しています。
前回アップした画像「21年目の真実」の土台腐食部を解体撤去した。幸いにも白蟻の痕跡は無く、漏水・浸水での湿潤状態が長く続いた結果の腐朽と判断。
含水率計を用い、浴室四方の土台を調査。腐朽菌の発生リスクが少ない20%以下となる部分までを交換する範囲基準としました。
土台の入れ替えは、比較的断面残存のあった土台(画像白丸囲い部)に荷重を受けさせる仮の柱を既存の柱に抱かせてから行います。(注:これはこの現場にだけ通用した手段で、すべてに対応できる策ではありません。)
外壁側を解体し、腐食していた3方向全ての土台を順に撤去しながら新規土台(檜4寸角)への入れ替えを進めました。
新規土台には防蟻材としてヒバ精油を浸透させています。
因みにこの画像は外壁モルタル部だけを撤去した所。ラス板に貼られた当時の透湿防水シート(D社製品T)。しかし通気層の無いモルタルリシン吹き仕上げのこの現場ではこのシートを使う意味はありませんね。現に土台があるシートの下部は内部からの湿気でシートを止めているタッカー針も手で折れるほどサビが出ていました。当時出始めで現在主流の通気工法には欠かせないこのシートも、使い方を間違えれば意味もなくなる典型例です。
←シャワーユニットのセットと下地造作の様子。
土台腐食はお施主様には少々キツイ事実だったかもしれませんが、今回の工事で不具合が解消されて安心とのお言葉を受け、私たちも安心しました。現場は元の工程の戻り、順調に進行しています。