竣工8年を迎えた
K,Y様邸に於いて、メンテナンス計画の一環である「ウッドデッキ」の再塗装に先週より取り組んでいます。ウッドデッキには*ACQという防腐薬剤が機械的に加圧注入された材を使用するのが弊社の標準的仕様ですが、常時野外に暴露されているデッキの環境では人が歩いたりして表層面が摩耗される事も併せ、最適な状況判断に依るメンテナンスが必要です。
本建物では定期的な点検による以下の判断基準でその時期を竣工8年後がベストとし、お施主様への提言を行いました。
判断基準(全てに共通する訳ではありません。各現場毎の基準です。)
1.加圧注入されている薬剤の効果が50~60%残っている状態
→効果が切れて木材が腐食してからでは遅い!
2.現場では機械的な加圧注入が出来ない為、逆に薬剤が表層部に十分残っている状態では、木材に浸透させて効果を得る新規防腐塗料が造膜し難い。
→表面にコケや黒ずみ・変色が出ていても清掃で落とせる状態であれば表層の薬剤は効果を発揮している場合が多い。見た目だけで判断すると費用対効果に劣るメンテナンスとなる。
と言う事で梅雨入り前の比較的乾燥しているこの時期に実施となったのです。
先ずは高圧水洗浄機を用いて表層部のコケ・埃を除去
高圧水洗浄後は乾燥を待ってサンダー・紙やすり等を用いて脆弱化した旧塗膜ケレンと表面の目荒らしを行い、新規防腐剤が十分木材内部に浸透できるような下地を形成し、更なる乾燥を促してから塗装の工程に進行します。今週はおそらく梅雨入り前最後の週になるでしょう。塗料塗布には的確なる状況判断が更に求められます。
ACQ(Alkaline Copper Quaternary)
銅と第4アンモニウム塩を配合した環境に優しい防腐剤。従来多用されていたCCA注入材とは違い、有毒なヒ素やクロム化合物を含みません。天然木の腐敗菌、シロアリ、木喰い虫から材木を守り、強い効力を長期にわたって効力を発揮します。塗布後は、緑色をしていますが、数ヶ月間外気にさらされて暖かみのある茶色に変わり、最終的には灰色になります。